蛍・納屋を焼く・その他の短編 村上春樹 H11・1/22
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題 名 「蛍・納屋を焼く・その他の短編」 著 者 「村上春樹」 発行所 「新潮社」 定価 280円 S62・9/25発行 読了日 H7・8/16 買値 100円 今は廃刊にされたマルコポーロ(文藝春秋社)という雑誌の1993年(平成5年)12月号の中で1943年(昭和18年)以降生まれの作家で、 「50年後に日本文学の歴史の中で60年代70年代 80年代が語られる時かなりの分量をその作家について割かれるであろう作家とその代表作」を10名以内であげ総計30点以内で点数を配分する。 というのがあり各社の文芸編集者に匿名アンケートを採ったところ45名(アンケート配布は約80名)の回答があった。その中で村上春樹は中上健次に次ぎ2番目であった。3位は村上龍 4位は山田詠美。 当時、中上健次は亡くなったばかりで編集者の心情的な票がいくらかはあったと考えると村上春樹の評価はかなり高いものだと思った。 この短編集は神奈川県の相模原市の古書店で100円で買った。私はBookOffなどの中古のCDや本を扱う店が好きで、読みたい本はほとんど古書店で求めている。その中で村上春樹は見つけたら必ず買う作家のうちの一人である。しかし買ったはいいがまだ開いてない本も何冊かある。 彼の本で初めて読んだのは「風の歌を聴け」だった。18年ほど前だったかアパートに訪ねてきた知人が貸してくれた。それを読んで以来熱心なファンではないが、彼の本は買っている この文庫本のカバーは村上春樹の本のカバーやイラストをよく描いている安西水丸。 下半分が緑の草原で上に緑の葉をつけた大きな木、そのとなりに線だけで描かれ真ん中に田の字の窓のハウス。日本の風景ではない(と思われる)いわゆるへたウマ風のイラストである。 |
文庫本を開くと2ページ目に95・8/16読 と書いてある。(忘れて同じ本を読むことを防ぐために記入していることもあるが別に2度読んで悪いことはないので単なる記入だ) 最初の短編は 「蛍」で 9ページ目から始まっているが51ページから80ページまでの「納屋を焼く」を再読。 (あらすじ) ・・・ 僕がパントマイムの勉強をしている女の子と知り合い、彼女の恋人とも知り合う。その男は外車に乗る身なりのよい男だがマリファナを吸ったとき「時々、納屋を焼くんです」と話した。 ・・・ 村上春樹の小説を読むとビールを飲みたくなり小説に出てくる食べ物ががほしくなると何人かが言っている。この短編にも「ローストビーフのサンドウィッチにはちゃんとクレソンも入っていた」とか「1時間足らずの間にビールの空き缶が 24個机の上に並んだ」などの表現がある。 そして欠かせないのが音楽だ。それも古いLPのものでジャズからクラシック、ロックと幅広い(彼の小説で流れた音楽を調べた雑誌があったりする。) この短編で僕と男の二人が二本目のマリファナを吸い、僕が小学校の学芸会で子狐が買いにくる手袋屋のおじさんのちょっとした悪役をやったところを思い出すところが5、6行出てくる。 63ページ ・・・ 「でもお母さんがすごく寒がってるんです。あかぎれもできてるんですl」と子狐は言う。 「いや駄目だね。お金をためて出なおしておいで。そうすれば」 「時々納屋を焼くんです。」と彼が言った。・・・ このあたりに私は村上春樹のリアリティを感じる。 |